【長崎】不貞をめぐる攻防|浮気された側とされた側の法的主張暴力をめぐる離婚判断

不貞がある場合でも、離婚請求が必ず認められるとは限りません。

裁判では、不貞の有無だけでなく、夫婦関係がいつ破綻したのか、別居期間がどれくらいあるのか、未成熟子がいるのか、離婚によって相手方が過酷な状況に置かれるのかなどが見られます。

特に、不貞をした側から離婚を求める場合は、「有責配偶者からの離婚請求」として問題になります。

目次

不貞をめぐる判断例

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事例別れたい理由別れない理由・反論判断の要点と結果
1同居期間に比べて別居期間が相当長期に及んでいること、未成熟子がいないこと、離婚により配偶者が極めて過酷な状況に置かれる事情が認められないことを理由に、夫が離婚を求めた妻は、夫が有責配偶者であると主張した有責配偶者からの離婚請求が認められる要件を満たすかが問題となった。夫の請求は認められた。東京地裁平成13年9月7日判決・判マ
2同居期間に比べて別居期間が相当長期に及んでいることなどを理由に、夫が離婚を求めた妻は、夫が有責配偶者であると主張した有責配偶者からの離婚請求が認められるかが問題となった。夫の請求は棄却された。破綻に至るまでの夫の態度は利己的で責任の程度が大きく、妻および子どもの精神的、社会的、経済的状態の悪化が著しいとされた。東京地裁平成13年4月24日判決・判マ
3同居期間に比べて別居期間が相当長期に及んでいることなどを理由に、夫が離婚を求めた妻は、夫が有責配偶者であると主張した有責配偶者からの離婚請求が認められるかが問題となった。夫の請求は棄却された。東京地裁平成12年7月17日判決・判マ
4夫が離婚を求めた。妻も、夫の不貞を理由に反訴した夫婦双方が、相手が有責配偶者であると主張した破綻の責任がどちらにあるかが問題となった。夫の請求は棄却され、妻の請求は認められた。慰謝料300万円が認定された。浦和地裁昭和60年11月29日判決・判例タイムズ615号96頁
5妻が、夫の不貞を理由に離婚を求めた夫は、不貞ではなく犯罪であるなどと主張した不貞の意味が問題となった。最高裁は、不貞とは、配偶者のある者が自由な意思に基づいて配偶者以外の者と性的関係を結ぶことをいい、相手方の自由な意思に基づくものであるか否かを問わないとした。最高裁昭和48年11月15日判決・判例時報728号44頁
6夫は、妻が勝気で男勝り、自己中心的で嫉妬深く、夫としての自尊心を傷つけるなどと主張し、離婚を求めた。昭和42年婚姻、夫26歳、妻28歳。昭和47年別居妻は、夫の不貞を主張し、有責配偶者は夫であると反論した夫の不貞の時期が問題となった。夫は昭和48年から愛人と同棲し、2児が出生していたが、同棲は婚姻関係破綻後であるとして、夫の請求が認められた。東京高裁昭和57年12月23日判決・判例時報1070号40頁
7夫は、妻の不貞の疑いと7年の別居を理由に離婚を求めた。昭和40年婚姻、昭和48年別居、昭和49年提訴妻は、不貞の疑いは濡れ衣であり、別居は夫が不貞を疑って暴力を振るうためだと反論した不貞の立証と別居期間の評価が問題となった。妻の不貞行為は推認できず、別居期間が長くなったのは訴訟が原因であるとして、夫の請求は棄却された。東京高裁昭和55年8月28日判決・判例時報980号61頁
8夫は、妻のわがまま、短気、夫の母や妹たちとの不和を理由に離婚を求めた。夫は豪農の長男、妻は医師の娘妻は、夫が近所の未亡人と不貞関係にある疑いを主張し、有責配偶者は夫であると反論した婚姻関係の破綻の程度と責任の所在が問題となった。不貞の確証はないものの、夫自身の異性との親密な交際が夫婦の不和と婚姻破綻の原因であるとして、夫の請求は棄却された。東京高裁昭和54年4月24日判決・判例時報931号66頁

不貞が問題になるときの判断要素

不貞がある場合、裁判では次のような事情が見られます。

不貞があったか
不貞をしたのは誰か
不貞の時期
不貞の前に婚姻関係が破綻していたか
別居期間
未成熟子の有無
離婚後の相手方の生活状況
離婚によって相手方が過酷な状況に置かれるか
夫婦関係が回復できる状態か
不貞の証拠があるか

不貞があったとしても、それだけで結論が決まるわけではありません。

特に、不貞をした側から離婚を求める場合は、有責配偶者からの離婚請求として慎重に判断されます。

有責配偶者からの離婚請求

有責配偶者とは、婚姻関係を破綻させた主な責任がある配偶者をいいます。

不貞をした側が離婚を求める場合、相手が離婚に応じなければ、有責配偶者からの離婚請求として問題になります。

この場合、裁判では、別居期間、未成熟子の有無、相手方が過酷な状況に置かれないかなどが見られます。

ただし、別居期間が長ければ必ず離婚できるわけではありません。

不貞に至る経緯、婚姻中の態度、相手や子どもの生活への影響なども考慮されます。

不貞の時期が問題になる場合

不貞の時期も重要です。

婚姻関係が破綻する前の不貞であれば、破綻原因として重く見られます。

一方で、すでに夫婦関係が破綻した後の関係であると判断されると、不貞の評価が変わることがあります。

そのため、不貞が問題になる場合は、単に「交際があった」というだけでは足りません。

いつから関係が始まったのか。
その時点で夫婦関係はどうなっていたのか。
同居していたのか。
別居していたのか。
夫婦関係の修復可能性はあったのか。

こうした時系列の整理が重要になります。

不貞の証拠が必要になる場合

不貞を理由に離婚や慰謝料を求める場合は、証拠が問題になります。

疑いだけでは、離婚原因や慰謝料請求の根拠として十分でないことがあります。

不貞の証拠として問題になりやすいものは、次のようなものです。

写真
メッセージ
宿泊記録
旅行記録
調査会社の報告書
本人が認めた発言の記録
クレジットカード明細

ただし、証拠の集め方には注意が必要です。

相手のスマートフォンを無断で開く、SNSやメールへ勝手にログインする、GPSを無断で取り付けるなどの方法は、別の問題を生むことがあります。

不貞の証拠が必要な場合は、弁護士や適正な調査会社への相談を検討する場面です。

不貞と慰謝料

不貞がある場合、慰謝料が問題になることがあります。

ただし、不貞があれば必ず高額の慰謝料が認められるわけではありません。

慰謝料では、次のような事情が見られます。

婚姻期間
不貞の期間
不貞の態様
不貞が婚姻関係に与えた影響
子どもの有無
夫婦関係の破綻時期
当事者の対応
精神的苦痛の程度

また、不貞の相手方に慰謝料を請求するかどうかも、別に検討が必要です。

相手との代理交渉や慰謝料請求を行う場合は、弁護士に相談する場面になります。

まとめ

不貞は、離婚原因として重要な事情です。

ただし、不貞があるからといって、常に離婚請求が認められるわけではありません。

裁判では、不貞の有無、不貞の時期、夫婦関係の破綻状況、別居期間、未成熟子の有無、離婚後の生活への影響などが総合的に見られます。

不貞をした側から離婚を求める場合は、有責配偶者からの離婚請求として、さらに慎重に判断されます。

不貞を理由に離婚や慰謝料を考える場合は、感情だけで進めず、時系列、証拠、離婚条件、子どもの生活、お金の約束ごとを分けて整理することが大切です。

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