【長崎】セックスレス(性生活の不一致)でお悩みの方への離婚判断基準

セックスレス

セックスレスは、夫婦生活の回数だけの問題ではありません。

問題になるのは、夫婦の一方がつらさを感じているのに、話し合えないまま長く続いている状態です。

夫婦生活がないこと自体を、外から一律に悪いとは言えません。夫婦双方が納得していれば、問題にならないこともあります。一方で、どちらか一方が拒まれている、傷ついている、不信感を持っている場合は、夫婦関係に大きな影響が出ます。

目次

セックスレスが起きる理由

セックスレスの理由は、単純ではありません。

仕事の疲れ。
育児の疲れ。
出産後の体調や気持ちの変化。
夫婦関係の冷え込み。
相手への不満。
家の中で気持ちが休まらない。
夫婦というより家族や同居人のようになった。
一方的な求め方に傷ついた。
病気、服薬、更年期、EDなどの身体的事情。
不貞や異性関係への不信。

このように、夫婦生活の問題は、身体の問題だけではありません。

日常の会話、家事や育児の負担、相手への不満、信頼関係の有無が深く関係します。

回数だけで判断しない

一般に、病気など特別な事情がないのに、一定期間、夫婦生活がない状態をセックスレスと呼ぶことがあります。

ただし、実務上大切なのは、何カ月ないかという数字だけではありません。

夫婦双方が納得しているのか。
どちらか一方が苦しんでいるのか。
話し合いができているのか。
拒否の理由が共有されているのか。
相手を責めるだけになっていないか。

ここを見ます。

夫婦生活が少なくても、双方が納得していれば、離婚問題に直結しないこともあります。

反対に、回数の問題だけでなく、長年の拒否、侮辱、話し合いの拒絶、不貞、暴言、支配が重なっている場合は、夫婦関係全体の問題になります。

拒まれる側の苦しさ

夫婦生活を求めても拒まれる側は、自分を否定されたように感じることがあります。

自分には魅力がないのか。
もう夫婦として見られていないのか。
他に相手がいるのではないか。
このままずっと続くのか。

この不安が長く続くと、相手への不満や疑いが強くなります。

ただし、拒まれた苦しさがあるからといって、相手に夫婦生活を強く迫ってよいわけではありません。

夫婦であっても、相手の意思を無視した性的な行為は許されません。

拒む側の苦しさ

拒む側にも理由があります。

疲れている。
体調が戻らない。
育児で気持ちに余裕がない。
相手への不満が積もっている。
一方的に求められることがつらい。
夫婦生活の前に、日常の思いやりがほしい。

このような場合、夫婦生活だけを求められても、気持ちは戻りにくくなります。

特に、家事や育児を一方に任せきりにしている場合、夫婦生活の問題は、生活全体の不満とつながります。

「なぜ応じないのか」と責める前に、相手が日常生活の中で何を抱えているのかを確認する必要があります。

夫婦生活の不一致と離婚原因

セックスレスだけで、必ず離婚できるわけではありません。

裁判で離婚を求める場合は、民法770条の離婚原因が必要です。現在の民法770条では、不貞行為、悪意の遺棄、3年以上の生死不明、その他婚姻を継続し難い重大な事由が、裁判上の離婚原因とされています。(e-Gov 法令検索)

夫婦生活の不一致は、多くの場合、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に当たるかどうかとして考えます。

その判断では、夫婦生活がない期間だけでなく、夫婦全体の関係を見ます。

話し合いができているか。
拒否や不満の理由があるか。
相手を傷つける言動があるか。
不貞行為があるか。
別居しているか。
夫婦としての共同生活が回復できる状態か。

これらを総合して判断します。

セックスレスを理由に離婚を考える前に確認すること

離婚を考える前に、まず事実を整理します。

いつから夫婦生活がないか
その前後に何があったか
出産、病気、仕事、育児などの事情があるか
自分は何をつらいと感じているか
相手は何を理由にしているか
話し合いをしたことがあるか
話し合いができない理由は何か
不貞や異性関係への不信があるか
暴言、無視、支配、強要があるか
別居を考えるほど生活に影響しているか

この整理をしないまま相手を責めると、夫婦関係はさらに悪くなります。

話し合うときの注意点

夫婦生活の問題は、言い方を間違えると深く傷つきます。

「普通はこうだ」と言わない。
「夫婦なら当然だ」と言わない。
相手の身体や年齢を責めない。
相手の人格を否定しない。
過去の不満を一度にぶつけない。

話すべきことは、相手を責めることではありません。

自分がつらいこと。
夫婦として不安を感じていること。
このままでは関係が悪くなること。
夫婦生活だけでなく、日常の関係も見直したいこと。

この形で伝える方が、話し合いになりやすくなります。

一方的な要求や強要がある場合

夫婦生活は、どちらか一方の要求だけで決めるものではありません。

嫌がっているのに迫られる。
断ると不機嫌になる。
生活費や態度で圧力をかけられる。
無理な行為を求められる。
恐怖や支配がある。

このような場合は、単なるセックスレスの問題ではありません。

DVや性的な強要として、安全確保や専門機関への相談を考える場面です。

夫婦であっても、相手の意思を無視してよい理由にはなりません。

不貞が疑われる場合

セックスレスが続く中で、相手の不貞が疑われることがあります。

帰宅時間が変わった。
スマートフォンを見せなくなった。
外泊や出張が増えた。
服装や下着に気を使い始めた。
夫婦生活を避ける理由が曖昧になった。

このような事情がある場合でも、感情だけで問い詰めると、証拠が失われることがあります。

不貞を疑う場合は、まず時系列と資料を整理します。

いつから変化があったか。
どのような行動があるか。
確認できる資料は何か。
離婚するのか、夫婦関係を戻したいのか。

この順番で考えます。

離婚条件として整理すること

セックスレスを含む夫婦生活の不一致が、離婚の話し合いにつながることがあります。

その場合でも、離婚理由だけを話していては条件は決まりません。

子どもがいる場合は、親権、監護、養育費、親子交流を考えます。

財産がある場合は、財産分与、年金分割、住まい、住宅ローンを考えます。

不貞、暴力、強要、侮辱などがある場合は、慰謝料の有無も問題になります。

令和8年4月1日施行の民法等改正では、父母の離婚後の子の養育に関し、親権・監護、養育費、親子交流、財産分与などの規定が見直されています。子どもがいる離婚では、夫婦の問題と子どもの生活を分けて整理する必要があります。(法務省)

まとめ

セックスレスは、夫婦生活の回数だけの問題ではありません。

夫婦の一方が苦しんでいるのに、話し合えないまま続いていることが問題です。

原因には、疲れ、出産、育児、病気、夫婦関係の冷え込み、相手への不満、一方的な求め方、不貞への不信などがあります。

セックスレスだけで必ず離婚できるわけではありません。

ただし、長期間の拒否、話し合いの拒絶、不貞、暴言、性的な強要、別居などが重なる場合は、夫婦関係全体として離婚原因が問題になることがあります。

離婚を考えるときは、夫婦生活の問題だけでなく、子ども、お金、住まい、将来の支払いを分けて整理することが大切です。

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