不倫相手に連絡する前に確認すること|トラブルを悪化させない方法【長崎】

不倫相手に直接会って問いただしたいと思うことがあります。

謝罪してほしい。
慰謝料を払ってほしい。
もう会わないと約束してほしい。
自分の家庭を壊した責任を取ってほしい。

その気持ちは自然です。ただし、怒りのまま直接会いに行くと、話し合いではなく口論になります。場合によっては、こちらが脅迫、名誉毀損、つきまとい、プライバシー侵害などを問題にされることもあります。

不倫相手への対応は、「対決」ではなく、証拠、請求内容、連絡方法、合意書の順に整理して進める必要があります。

目次

まず証拠を確認する

不倫相手に連絡する前に、まず確認するのは証拠です。

不貞行為とは、配偶者のある人が、自由な意思に基づいて、配偶者以外の人と性的関係を持つことです。

食事をした。
二人で会っていた。
親しげなメッセージがあった。
好意を伝えていた。

このような事情だけでは、直ちに不貞行為といえるとは限りません。

一方で、ラブホテルへの出入り、宿泊を伴う旅行、不貞を認める発言、調査会社の報告書、宿泊記録などがある場合は、不貞行為を推認する資料になることがあります。

証拠を集めるときにしてはいけないこと

証拠は大切です。

ただし、集め方を間違えると、こちらが別の責任を問われることがあります。

相手のスマートフォンを無断で開く
SNSやメールに勝手にログインする
GPSを無断で取り付ける
相手の勤務先へ押しかける
相手の家族や職場へ言いふらす
SNSに実名や写真を書く
性的な画像や動画を保存・拡散する

このような行動は避けるべきです。

刑法では、生命、身体、自由、名誉または財産に害を加える旨を告げて脅迫した場合、脅迫罪が問題になります。また、公然と事実を示して人の名誉を傷つけた場合は、名誉毀損罪が問題になります。e-Gov法令検索・刑法 (laws.e-gov.go.jp)

証拠は、後で説明できる形で、必要な範囲にとどめて整理します。

直接会う前に考えること

不倫相手と直接会うことは、慎重に考える必要があります。

会えば冷静に話せるとは限りません。怒りが強い場合、相手が否認する場合、相手が挑発的な態度を取る場合、話し合いはすぐに崩れます。

直接会う前に、次のことを確認します。

何を求めるのか
慰謝料を請求するのか
謝罪を求めるのか
接触禁止を求めるのか
配偶者との今後をどうするのか
相手が既婚者だと知っていた証拠はあるか
相手が否認した場合にどうするか
相手が弁護士を立てた場合にどうするか

目的が決まっていないまま会うと、感情をぶつけるだけで終わります。

その場で言い合いになれば、慰謝料請求や離婚協議にも悪影響が出ることがあります。

内容証明で通知する方法

不倫相手に請求する場合、直接会うよりも、まず文書で通知する方法があります。

内容証明郵便は、いつ、どのような内容の文書を送ったかを証明する郵便です。郵便法でも、内容証明の取扱いでは、郵便物の内容である文書の内容を証明すると定められています。e-Gov法令検索・郵便法 (laws.e-gov.go.jp)

内容証明を使う場合は、感情的な文章にしないことが大切です。

書く内容は、次のように整理します。

不貞行為があったと考える理由
請求する内容
慰謝料の金額
支払期限
回答期限
今後の連絡方法
接触禁止を求める場合の内容

相手を侮辱する言葉や、脅しと受け取られる表現は避けます。

不倫相手に請求できる場合

不倫相手に慰謝料を請求するには、単に交際していたというだけでは足りません。

主に次の点が問題になります。

不貞行為があったか
相手が既婚者であることを知っていたか
または知ることができたか
不貞関係が始まった時点で夫婦関係が破綻していなかったか
慰謝料請求権が時効にかかっていないか

不倫相手が、相手を既婚者だと知らず、知らなかったことに過失もない場合は、慰謝料請求が認められにくくなります。

また、不貞関係が始まった時点で夫婦関係がすでに破綻していた場合も、慰謝料請求が認められるかが問題になります。

離婚慰謝料と不貞慰謝料を分ける

不倫相手に対する請求では、不貞行為そのものによる慰謝料と、離婚したことによる慰謝料を分けて考える必要があります。

最高裁平成31年2月19日判決は、不倫相手が単に夫婦の一方と不貞行為をしただけでは、当然に「夫婦を離婚させたこと」について不法行為責任を負うわけではないと判断しています。

不倫相手が離婚慰謝料の責任を負うのは、夫婦を離婚させることを意図して婚姻関係に不当に干渉したなど、特段の事情がある場合に限られます。

そのため、不倫相手に何を請求するのかは、正確に整理する必要があります。

相手が反論してきた場合

不倫相手は、次のように反論することがあります。

既婚者だとは知らなかった
肉体関係はない
すでに夫婦関係は破綻していた
誘ったのは配偶者の方だった
慰謝料の金額が高すぎる
もう関係は終わっている

このような反論がある場合は、感情的にやり取りを続けない方がよいです。

相手が否認している場合や金額で争いがある場合は、弁護士に相談する場面です。

合意できた場合は書面に残す

不倫相手が慰謝料の支払い、謝罪、接触禁止などに応じる場合は、口約束で終わらせない方がよいです。

示談書や合意書にしておきます。

書面で決める主な内容は、次のとおりです。

慰謝料の金額
支払期限
一括払いか分割払いか
振込先
支払いが遅れた場合の扱い
謝罪の有無
接触禁止
口外禁止
違反した場合の扱い
清算条項

分割払いの場合は、支払いが途中で止まることがあります。

金額や支払方法によっては、公正証書にすることも検討します。

配偶者との問題を分けて考える

不倫相手への対応だけでは、夫婦の問題は終わりません。

不倫相手に慰謝料を請求するかどうかと、配偶者と離婚するかどうかは別です。

離婚する場合は、次の内容も整理します。

財産分与
慰謝料
婚姻費用
養育費
親権・監護
親子交流
年金分割
住まい
住宅ローン
清算条項

不倫相手への請求だけを先に進めると、夫婦間の離婚条件が後回しになることがあります。

離婚する場合は、子ども、お金、住まい、書面を分けて整理する必要があります。

代理交渉が必要な場合

不倫相手との交渉は、法律上の争いになることがあります。

相手が支払いを拒む。
不貞の事実を否認する。
慰謝料の金額で争う。
相手に弁護士が付く。
裁判を見据える。

このような場合は、弁護士に相談する場面です。

弁護士法72条は、弁護士でない者が、報酬を得る目的で、一般の法律事件について鑑定、代理、仲裁、和解その他の法律事務を取り扱うことを原則として禁止しています。e-Gov法令検索・弁護士法 (laws.e-gov.go.jp)

行政書士は、当事者間で合意した内容を、示談書、合意書、離婚協議書、公正証書案に整理することはできます。

一方で、不倫相手との代理交渉や裁判対応はできません。

まとめ

不倫相手と直接会って問いただす前に、証拠、請求内容、連絡方法を整理する必要があります。

怒りのまま会いに行くと、話し合いではなく口論になり、こちらが脅迫、名誉毀損、プライバシー侵害などを問題にされることがあります。

慰謝料を請求する場合は、不貞行為の証拠、相手の認識、夫婦関係の状態、時効、請求金額を確認します。

直接会うよりも、内容証明などの文書で冷静に通知する方が適切な場合があります。

合意できた場合は、示談書や合意書に残します。

相手が否認している場合、金額で争いがある場合、代理交渉が必要な場合は、弁護士に相談する場面です。

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